(2)筋力アップのための運動(筋力強化訓練)
関節周囲の筋力アップを図ることは血友病性関節症の悪循環を断ち切るための最も有効で重要な手段の一つです。出血後の間もない時期には運動時に痛みを伴うことがありますので、決して無理をせずに痛みのない範囲で運動を行うようにします。また、関節を動かさず筋肉だけを収縮させる運動(マッスルセッティング)を行います。さらに運動時の痛みがなくなれば、家庭にある色々な器具を使った運動を加えてもよいでしょう。なお、運動の種類、回数、時間などは患者さんの症状により違います。筋力アップの運動は主治医やリハビリテーション科医に相談をしてから始めるようにしましょう。筋力アップの運動で、運動時や運動後に痛みがあったり残ったりしている場合には、運動が過度になっていますので、主治医やリハビリテーション科医に相談しましょう。
膝を伸ばす筋肉(大腿四頭筋)は特に弱くなる傾向があります。ここでは主に膝を伸ばす筋力をアップする方法を紹介しましょう。
膝のマッスルセッティング(出血後の間もない時期の運動)
ゴムバンドや重りを使った運動(椅子に腰掛けて)
椅子からの立ち座り運動
椅子からの立ち座りも、膝を伸ばす筋力アップには効果的な方法です。